韓国問題で得する防衛省と韓国軍
韓国軍と防衛省の間で自衛隊が「低空威嚇飛行」をした/してないで揉めており、今のところ決着は見えません。
実はこれ、韓国軍も防衛省も問題を解決しないことのほうがお得なんです。
鍵は北朝鮮です。
というのも、韓国軍も防衛省も北朝鮮問題が平和に向かうと予算が減って困ってしまうからです。
だから、この韓国問題はしばらく続くどころか、第2、第3の事件が起こってもおかしくないといっても過言ではないでしょう。
国内のネットでは韓国と北朝鮮が裏取引(せどり)してる!などと韓国を批判する声もありますが、統一するかもしれない韓国と北朝鮮が仲良くすることは合理的であり当然といえます。
韓国はなぜ日本を敵視するか
韓国と北朝鮮が統一すると、統一朝鮮が仮想敵にしやすいのが日本なのです。
これはアメリカではないし、中国でもないし、ロシアでもなく、日本なのです。
今のトランプ流で朝鮮が統一してしまうと、統一朝鮮は中国にもアメリカにもミサイルを向けられず、統一朝鮮軍の必要性は急激に弱まり、予算削減と軍縮は必至です。
そこで、軍隊維持のためには、植民地支配をしたことを理由にして、日本を敵に仕向ける必要があるというわけです。
防衛省も朝鮮統一で予算獲得が難しくなる
日本の近年の国防費増加の強い根拠は北朝鮮でした。
対北朝鮮という名目で、国連のルールを無視する北朝鮮なら仕方ないと、世界中からの批判を避けながら防衛予算を積み上げることに成功しました。
しかし、北朝鮮が仮に友好国家になると、これまでどおりに防衛予算を増やす説明が苦しくなります。
もちろん日本にとっては、中国やロシアを意識せざるを得ませんが、経済面で結びつきが強い両国に対して、強い姿勢で臨むことは日本政府としてはやりづらいでしょう。
ましてや中国は、日中戦争などの歴史を根拠に日本の軍拡は批判しやすく、これまで言い訳にしていた北朝鮮がなくなると、防衛予算の必要性は世界的に訴えづらくなり、中国にも付け込まれやすくなるでしょう。(まあ中国自体が軍拡しているので中国から何を言われようが構わない面もありますが)
そこで、今回の韓国問題のように、韓国・北朝鮮はこれからもリスクだ!というイメージを国内外にアピールすることは、防衛省・防衛族議員にとっても悪い話ではありません。
日本海の秩序維持などと言えるようになり、統一朝鮮をダシにして、対中国ロシアの国防費を積みやすくなるからです。
国民は冷静のままに
今回の問題は、防衛省や外務省など日本政府は熱くなっていますが、国民は韓国に対してデモや非買運動をすることなく、いたって冷静で良いですね。
市民が軍事費増大の雰囲気を助長させていいことはありませんから。
- 作者: 手嶋龍一,佐藤優
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