トヨタがappleに勝てないワケ
再び東大卒らしくビジネスネタです。
日本の主要産業は製造業。代表的な会社はトヨタだ。
製造業といえばPanasonicやSONYなどの家電産業もあるが、サムスンやhuaweiの中韓勢、appleなどのシリコンバレー勢に比べて、今や特徴もなく世界市場ではかつてほどの輝きはない。
世界市場でなお存在感を出しているといえるのが自動車産業だが、Teslaなどのシリコンバレー勢や中国企業が存在感を増しており、家電と同様に国内の自動車メーカはプレゼンスが弱くなることは必至だろう。
日産はゴーン・ショックの内ゲバで明るい未来は見えないし、ホンダも本田宗一郎の精神はホンダジェットとともに空に飛び立ってしまっている状況だ。
日本に残っているはトヨタだ。
トヨタのe-パレット構想発表は時期尚早だった
トヨタは2018年1月にe-パレット構想を発表した。
自動電気運転車の普及で車のあり方を変えるという大発表だ。
しかし、発表は時期尚早だったと私は考える。
なぜならば、e-パレット車の発売は、2020年代前半にアメリカからということで、あと6年もかかる。
なぜappleのように発表の1週間後に発売というようなことができないのか。
それまでにgoogleやappleがgoogle-carやapple-carを発表する可能性は十分にある。
敵に自分たちの構想をドーンと発表してよいことなどない。
トヨタは焦っているのではないだろうか。
Apple-Carとトヨタ車のどっちに乗りたいか?
googleやappleがどんな車を出してくるは今も謎のままだ。
秘密のベールに隠されたものには期待が膨らむし、おそらく発表してから興奮が冷めないうちに発売して買わせることをするだろう。
さらにトヨタは米国市場を重視しているようで、貿易摩擦の記憶を失ってしまったのかという心配もある。
むしろ高齢者が増える日本のほうが自動電気自動車の需要が大きいように思うが、日本では絶対に負けないという自信があるということで米国ファーストなのかもしれない。
ただ、apple製品に慣れ親しむ世代が増えるなかで、TOYOTA車よりApple-Carを好むことは火を見るより明らかだ。
また、業務用の車など、安さ重視なら中国車でよい。
トヨタは予告なしでe-パレットを東京五輪にて発表すべきだった
appleがお得意の、極秘プロジェクトのまま推進して、製品を突然発表して世界中を驚かせて、すぐに市場に投入するようなことを、トヨタは何故しなかったか。
完成品を発表できないにせよ、東京オリンピックがあるのだから、予告なしでe-パレットを東京中に走らせて、あれは何だ?という口コミで広げるようなキャンペーンができたのではないか。
事前予告されたものを見に行くのと、得体の知れないものを見に行くのでは、人の関心度合いは違う。
こんなトヨタで、MaaS(Mobility as a Service:サービスとしての移動体)時代を戦えるのだろうか。
世界における日本メーカの将来を占ううえでは不安で仕方がない。