東大目線コラム

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2019年大予測!キーワードは「キャッシュレス」

たまには東大卒らしい記事を書きます。

何度も言っていますが、2019年のビジネス大予測で最も重要なキーワードは「キャッシュレス」です。

なぜ政府はキャッシュレス化に本気か

政府はキャッシュレス化に本気です。

日本からイノベーションが起きにくかった平成時代ですが、なぜかキャッシュレス化に政府は熱心です。

政府は2019年10月から始まる、消費税10%アップ時のキャッシュレス支払いによるポイント還元を認める14社を選定しました。

100億円相当のポイント還元をしたPayPayも認定され、キャンペーンは大成功。すっかり市民権を得たように感じます。

しかし、なぜ政府はキャッシュ化を積極的に進めているのでしょうか?

最大の理由はイノベーションではなく銀行事情

最大の理由は、イノベーションを起こしたいからとか、中国に負けないようにということではなく、国内の銀行事情によるところが大きいと私は考えます。

具体的には、まさに年末年始大行列していますが、ATMのコストを抑えたい銀行側の要請があると思われます。

日本全国どこにでもあるATMですが、運営費が高くて、多くの銀行にとっては赤字です。

特に地方銀行は、平成時代においてバブル崩壊からゼロ金利政策に至るまで経営難で、ATMの稼働コストもつらいところ。

銀行が不振になると政権運営にも支障をきたすため、政府としても、現金を下ろしに行くATMを減らせるよう、キャッシュレスを進めようというわけです。

コストカットとしてのキャッシュレス

結局、コストカットとしてのキャッシュレス化なのです。

なので、キャッシュレスを進めることで、国民に良いことがあるかというと、さほどメリットはないでしょう。

ただ、消費税増税の19年10月からの9ヶ月間にどこの企業が市場を支配するかのゲームが生まれました。

10月までのキャンペーン合戦と、10月からオリンピック直前の20年6月までは、キャンペーンをうまく使いこなせればだいぶ家計の助けでしょう。

まあ、恐らくPayPayのときのように便乗値上げが横行して、残念ながら、多くの消費者は損を被る気がしますが……。

といっても、消費者もそこまでアホではないので、PayPay詐欺に学んで、政府のもう一つの狙いである景気刺激策になるかは怪しいところでしょう。

それでも現金は持ち歩く

フィンテック関係者をはじめベンチャー狂信者は、今回のキャッシュレス化の動きを見て、日本も変わりつつある!と喜んでいるかもしれません。

しかし、今回述べたとおり、残念ながら日本を動かしているのはベンチャー企業ではなくて大企業と政府なのです。

したがって、今回のような利用者側のニーズは考えられず、銀行事情起点の日本のキャッシュレス化は失敗に終わるでしょう。

偽札が横行したり、反政府運動に利用される現金は使いたくないという中国事情とは違うのです。

だって、オリンピック後にみんなが現金を払わない未来は想像できますか?

日本では現金が便利なのです。

日本の論点2019~20

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