課題山積のカーシェア体験記
ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしょうか。
外出される方もいらっしゃると思います。
そんなときおすすめしたいのが、カーシェア体験。
私が体験したカーシェアについて、まとめてみました。
結論からいえば、良くも悪くも、新しい体験ができるので一度やってみることをオススメします。
車を持っている人も、高級車やスポーツカー、テスラなどの最新車にも乗れるので、運転する楽しみを感じることができます。
どこで借りるか?
(1)タイムズカーシェア
まず思いついたのは、タイムズカーシェア。
確かカーシェアの国内最大手で、車の台数が一番多いはずで、自宅の近所にもいくつかあるので良さそうだと思い、料金を調べました。
しかし、初期費用が1,550円かかるうえに、月額料金まで発生します。
さらに、会員カードの作成はネットだけではすぐに完結しないため、明日カーシェアを体験してみようと思うなら、営業所か無人発券機に出向かないといけないようです。
普段遣いで定期的に利用するならタイムズはアリですが、私のような一回きりのユーザにはご縁がないようです。
(2)エニカ
いろいろ調べてたら、個人間貸し借りのエニカを思いつきました。
ただ、登録時にプロフィール写真を求められて、写真を選ぶのが面倒になってやめました(笑)
写真はまるごとgoogleフォトに入れていて、iPhoneからは削除しているのですが、こういうときスムーズに選択できる機能がほしいものです。。
(3)dカーシェア
最終的にたどり着いたのは、初期費用・月額料金が無料のdカーシェアです。
ドコモなので安心です。
会員登録の入力項目が多いのは大変でしたが、スマホだけで登録は完結するし、会員登録の承認も数分で完了するので、明日使いたい私のニーズにもピッタリです。
ということで、dカーシェアを使ってみました。
カーシェアのメリット
まずは実体験に基づいて感じたメリットをご紹介します。
メリット1:レンタカーより安い
カーシェアのメリットの1つはレンタカーより安かったというところです。
レンタカーを借りるときは保険代やガソリン代が積まれて結果として高くつきます。
しかし、今回利用したカーシェアは保険料込みで給油代無料でお得でした。
メリット2:自宅の近くから利用できる
レンタカーを借りるときは営業所に出向かなければいけません。
しかし、カーシェアは自宅の近くに車があれば、そこに行くだけで借りることができます。
私の家の近くにはレンタカー屋がなさそうだったのですが、カーシェアはまばらにあって助かりました。
夜に運転に疲れて帰ってきたときにも、すぐに家に帰ることができ、ストレスをためずに済みます。
メリット3:24時間返却できる
もう1つ大きなメリットは24時間返却できることです。
レンタカーは20時までに返却する必要があるなど、夜まで出かけようとすれば翌朝に返さなければいけず、駐車場は困るわ、時間が縛られるわで不便な点があります。
しかし、カーシェアは車が空いている限り、いつでも返却できるのです。
カーシェアの課題
カーシェアはまだまだ普及段階。ビジネスの仕組みが「所有」から「利用」へと変わり、シェアリングエコノミー(シェア経済)と言われており、勘所がいい企業が推進していますが、正直課題は多くあるように感じました。
課題1:使い方がわかりづらい
課題の1番は使い方がわかりづらいことです。
会員登録はアプリをダウンロードして登録していくだけなので、これまでどおりですが、予約が完了してからどうするかは謎です。
しかも、駐車場の情報の精度が悪く、googleマップで向かっても、そこには駐車場がありませんでした。
また、車の色が謎で見つけづらい、何分前に行ったらよいか(遅れたらどうなるか)謎、Felica対応のスマホ(Felicaって何だっけ。Apple PayでOK?)をかざしてもSuicaが反応しちゃう、音楽を流すためのBluetooth設定は自力(慣れていれば何とかなる)などなど、デジタルネイティブさが求められます。
シェア利用というのはまだ馴染みがあまりないので、ユーザー側が知識不足の面もありますが、大げさにいえば小学生や高齢者にもわかるような案内を直感的にできるようにしていただきたいものです。
UI/UXといわれる類の問題でしょう。
結局、googleで検索せざるを得ず、それでもわからなかったので電話する羽目になりました。
(dカーシェアを提供するdocomoさんは通話料が儲かるわけですね…?)
課題2:モラルが低い
私が初めてカーシェアを利用したとき、家から数分歩いたところにある駐車場に向かいましたが、車がありませんでした。
電話して確認したところ、無断延長しているらしいです。
私は予約している用事はなかったので大きな問題になりませんでしたが、映画をはじめ決まった時間のある機会に行けなかったときはリスクです。
後述のとおり、車がなくても、一切の保障はなく、泣き寝入りするしかありません。
損害が出たときには、無断延長者に故意や過失がないと認められない限り、請求できるようにするなり、予約保険のような形で補償するなりの対応がほしいと思いました。
あとは車の中にゴミが放置されたり(ガムの包み紙はやめてくれ)、中だけでなく外も少し汚れているのが残念でした。
課題3:サポート体制が不十分
車がないときのトラブル対応もいまいちでした。
そもそも、無断延長されているかは本部で管理できているはずで、電話番号の情報も抑えているわけですから、無断延長されていたら本部の人が電話をかけて催促したり、次の利用者に対して駐車場に行かないように一報して、善後策を自ら案内をするべきです。
私が利用しようと思っていた時間は日中で、前の人との利用時間の間隔も十分にあったので、この点は体制に不満が残ります。
近くの車を調べてくれましたが、流れ作業で案内するだけで、そこまでは当然自力で移動せざるを得ないです(そもそも移動手段を求めているのに!)。
すぐに日本交通のタクシーを手配するとか、方法はありそうに思いますが、ユーザ本位でサポートは手抜きという感じがして印象は悪かったです。
今回は運が悪かっただけでしょうが、用事があって移動するのですから、予め複数のカーシェアサービスに登録をしておいて、ダメだったときの保険を考えておいたほうがよいと思いました。
カスタマーサポートはAmazonから学んで〜
カスタマーサポートといえば、私の実体験でいえばAppleが最悪で、故障のときの対応が面倒で、わざわざApple Storeに毎度予約をして出向く上に、今回だけではダメだと何度も来るよう言われるし、何度も言ってもお詫びの一言も言ってこなくて「対応してあげているんだ感謝しろよ」という口調で対応してくる経験を何度も(!)しています。
ベンチャー企業のようにカスタマーサポートに対応できる人員が不足しているというような事情なら、まだ大目に見ますが、最近の企業はAppleのように大手であっても、企業側に不備があっても、手間のかかる客対応にコストをかけない傾向にあるように感じることも多く、非常に残念です。
一方で、Amazonのカスタマーサポートは電話番号がどこにあるかはわかりにくいものの、電話すればすぐに電話に出て、客の不安や不満をすぐに解消してくれる神対応をしてくれる経験もしています。
ジョブスが亡くなってからパッとしないAppleと、お客様第一でプライム会員で伸び続けるAmazonのどちらが、今後さらなる成長をするか火を見るより明らかのように思います。
提案:信用スコアを普及させてほしい
カーシェアは、貸主が広がれば広がるほど、借り主も便利になるという構造です。
しかし一方で、モラルが低い客が多いと、客離れも多くなります。
中国では信用スコアが導入されていますが、日本でも信用スコアを取り入れてほしいと思っています。
これはペナルティという意味だけではなくて、きれいに利用してくれたから感謝したいというときでも利用でき、むしろみんなが幸せになる仕組みになるように思います。
中国でも、昔はマナーが悪いことで有名でしたが、今はすっかり改善されているようです。
日本ではデメリットばかりが強調されて、信用スコアが低くなると生活できなくなる人がいるからダメだ、一人ひとりに点数付けするとは何事だ、といった感情論やプライドばかりで、壁は大きいかもしれません。
しかし、ユーザーからしたら、よりよいユーザーによってだけでシェアできるコミュニティ性のようなものを求めており、こういった機能が仕組み化されて、シェア経済が普及して、生活が便利になるといいなと願っています。
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