東大目線コラム

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携帯料金は安くなるわけない

ツッコミどころ満載のドコモ新料金プラン

ドコモが新料金プランを発表しました。

総務省が高くなりすぎている携帯料金を是正するように求めた対応です。

最大4割値下げだそうです。

しかし、よく見たら「ウルトラデータパックLL」という30GBプランを参照元にしており、こんな大容量プランに誰が加入しているというのでしょうか。

また、相変わらず家族で加入しないと割引にならないし、しかも3人以上という条件付きです。

単身世帯やDINKSと呼ばれる2人世帯が増えているトレンドにおいて、ミスマッチです。

このようにドコモは最初から値下げはするつもりはなく、値下げで損しない条件を必死で考え抜いて、最低限姿勢だけ示すという、ユーザー無視の戦略を鼻高々と発表したわけです。

まあ、これはドコモだけが悪いわけではなく、業界すべてそういう姿勢ですから、仕方がないとしか言えません。

スマホ弱者にかかる人件費の問題

では、どうしたら携帯料金を安くできるのでしょうか。

私が問題だと思うのは、ケータイ販売店ドコモショップなど)に集まる、スマホの使い方がわからない人の対応にかかる人件費を、スマホの使い方がわかる世代からも徴収していることです。

携帯キャリアからしてみたら、高齢者が一番お金を持っており、人口ボリュームもあり、ぼったくりやすいから大切にしたい高齢者ですが、その人件費のツケを若者にも負担させているのは不平等ではないでしょうか。

したがって、携帯サポートを受けることを有料化してほしいものです。

楽天参入でも安くなるわけない

これまで日本の携帯通信キャリアはドコモ、auソフトバンクの3社でした。

しかし、ここに来て楽天も参入しました。

経済学で「寡占」という概念、すなわち少数の大企業が市場を支配してしまい、利用者の利用料負担増加や品質の低下を招くわけですが、その典型例が携帯通信業界です。

それで、楽天が参入すれば、寡占市場が緩和されるわけで、「楽天のおかげで寡占が解決されて料金が下がる!」と期待する人もいるはずです。

しかし、私は安くなるわけないと断言します。

だって、3社が4社になっただけです。

楽天も救世主として市場に参入したわけではなく、寡占で儲かるから参入するだけです。

儲かるから参入するということは、利用者からはぼったくる気満々だということです。

というわけで、楽天参入の影響で携帯料金が下がることを期待してはいけないのです。

5Gスタートでまた高くなる

通信量が大きくなる5Gが始まろうとしていますが、これでまた携帯料金は高くなるでしょう。

事実、4Gとスマホの登場によって増大したパケット通信で携帯各社はボロ儲けです。

5Gは施設設備費がかさむとすでに説明されていますので、料金が上がることは火を見るより明らかです。

5Gは企業だけでなく個人にも大きなビジネスチャンスをもたらすポテンシャルがあります。

それだけに、コストのつけをユーザにおしつけ、それを活かすチャンスを阻害するのは、社会的な損失ではないでしょうか。

通信量を抑えて安く済ませられるように、政府の補助金を出すなどもして、日本でもwifi整備を進めてほしいものです。

ヤバい経済学 [増補改訂版]

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