「東大よりエンジニアになれ」に騙されるな
東大無価値論の嘘
「東大に出ても意味はない。東大に行く勉強をする時間があればプログラミングとクリエーティビティーのほうが大事」と言っている人が最近いるみたいです。
でもこれは東大とプログラミングが両立しないという前提に立っている暴論であって、東大に行く勉強もプログラミングも、どっちもやればいいんだと思います。
私は実際に両方やってきましたし、起業家は受験勉強もプログラミングも両方やってきている人が多かったりと、両立することは無理なことではありません。
むしろ、受験勉強とプログラミングは、相乗効果があるのではないかとさえ思ってしまいます。
クリエーティビティーと受験勉強の関係についても、アートというのは教養が重要な要素になってきますから、教養につながる基本的な素養として受験勉強は無駄でなく必要なものだと思います。
東大卒の政治家も官僚も減ったから東大オワコンの嘘
「政治家も官僚も昔ほど東大卒はいないよね」とよく言われますが、政治家は世襲議院の巣窟だし、そもそも議員は割に合わないから永田町に行くのは合理的でないと東大卒が賢く判断しているからではないでしょうか。
官僚も同様に、「弱まった権力機関で安月給で丁稚奉公するのは時間の無駄なので他に行こう」と東大生が合理的に判断しているからではないでしょうか。
といっても、政治家も官僚の出身大学はいまだに東大1位なので、これでオワコンと言われても・・・という面もありますし、官僚は東大抑制策が取られているので、東大が減ったのは当然の結果といえます。
また、下記の記事のとおり、そもそも官僚になる東大法学部卒は増えていて、東大がこれから勢力を盛り返すことになるかもしれません。
東大卒の起業家は大量発生する
それじゃあ、東大卒の優秀層はどこに行ったのか?
答えは、外資系です。マッキンゼーやゴールドマン・サックスです。
ただ、彼らは最初から外資系の高級取りになりたくて行ったかといえば、そういう人も当然いますが、起業ありきで外資を選んだ人は少なくありません。
それでハーバードなどでMBAを取ってきて(まあ、最近はMBAの価値が低まって、外資の人でもMBA取る人は減っている感じがしますが)、また日本でも起業がしやすくなった状況を見て、外資出身者が次々に起業し始めています。
投資家視点で考えても、学歴重視ではないですが、東大卒なら地頭がよく努力家と認めることができますし、東大卒の肩書はあって損はありませんよね。
というわけで、今の起業ブームに乗って、東大卒の起業家がどんどん増えていくと私は感じています。
また、一昔前はリクルートが起業の登竜門でしたが、ようやく外銀・外コンが起業家を多く生み始めて、バラエティ豊かなベンチャービジネスが増えてきて、面白い流れに変わったなとも感じます。
というわけで、「受験勉強よりプログラミングが重要」という幻想に囚われず、「受験勉強もプログラミングも両方やったらいい」というのが、今の私のキャリア論・教育論の考えです。
- 作者: クリスチャン・マスビアウ,斎藤栄一郎
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